基本的な本の流通のしくみ
本は出版社から直接的に書店へ置かれるものではなく、「取次」という問屋が介入します。
一般的に「書店へ流通される本」というのは、この「取次会社」を経由した本となります。
本を書店で売りたい——その目的があるのであれば、取次会社を利用できるのは、事実上「出版社」に限られてきます。
委託販売制度

本の販売方法は基本的に「委託」扱いとなります。本を一定期間内に書店へ置いてもらい、
その期間内であれば返品ができる制度です。
雑誌は最大で60日、書籍の場合であれば約180日が委託期間となります。
図書館とちがい、販売期限が設けられているのが原則で、いったん本が出回ったからといって、
ずっと書店において販売され続けるというものではないのが特徴です。
国際標準図書番号
ISBN(International Standerd Book Number)の略で「国際標準図書番号」です。
世界中の本の背番号であり、その番号だけで1つの本が確定できます。現在出版され、書店流通ができる本には殆どこの番号がついています。
発注の際や図書館で予約購入するときなど、この番号を指定するだけですむことがあります。
流通を希望する場合は、このコードを付けることが必須となります。

- (1) 国番号 4は日本
- (2) 出版社記号
- (3) 書名コード
- (4) チェックデジット
- (5) 分類コード(最初の1桁の数字は販売対象を意味する。2桁目の数字は発行形態を意味する。最後の2桁は内容を表す)
- (6) 価格コード(本体価格を表示する数字となります)
本が書店に並ばない・・・?
よく誤解されやすいのが、「全国の書店に流通する」という文言です。
これは「書店店頭に本が置かれる」という確約された意味ではありません。書店は日本に2万店以上ありますが、現在の出版界において発刊される初版部数の平均は、1冊あたり3000〜5000部程度です。
とくに自費出版の場合は500部〜1000部が一般的となるため、単純に計算しても2万店に配本することは不可能であることがおわかりでしょう。
また、書店によって店頭に並べられないと判断することもあります。もちろん出版社側は本を売りたいので、積極的に営業を行いますが最終的には書店員の判断に任されてしまうので、A書店にはおいてあるのにB書店ではみかけない、ということが起こるのです。
ただ、流通のメリットは「全国どこからでも本が注文でき、近くの書店・あるいは自宅で受け取ることが可能、さらに一定の価格で買える」という点です。書店に置いても「実売」が見込めなければ意味がありません。
最近ではインターネット書店(amazon、bk1など)での販売力もあり、そこからヒット作、重版の実績がある本も生まれています。
本の販売は“書店に置いてくれる”ではなく“確実に購入してくれる読者を求める”ための戦略を練ることが、出版社/著者共々一番重要であることを念頭にいれておきましょう。
♪memo♪
書籍営業には、書店へ営業マンが直接赴く「直接営業」や注文書に商品情報やPR文をつけFAXにて行う「FAX営業」、電話にて交渉する「電話営業」など幅広いスタイルがあり、それぞれ効果的な営業方法として一般的に受け入れられています。
本のPR活動
【広告出稿】
本を売るためには広告・宣伝も不可欠です。新聞や雑誌の広告欄に自著を掲載してもらうことで、作品の注目度や売り上げにも影響してきます。
書籍広告は出版社の得意とするところで、広告スペースをある程度自在に確保することができるため、依頼することをお薦めします。
なお、自費出版本の広告は執筆者負担によるのが一般的でもあります。新聞・雑誌の知名度、スペース等によって広告の内容・費用など異なってきますが、平均的に50万〜200万円程度の料金が発生します。
【献本活動】
本の宣伝活動のひとつです。言葉のとおり「本を献ずる」ことです。広告と違うところは、「広告料」というものが要りません。
これは、新聞社や雑誌の編集部、オピニオンリーダー、批評家、著名人などへ本を送り、記事に纏めてもらったり、テレビなどで発言してもらう事で世に広める「PR活動」で、最近特に注目されています。
出版社や筆者とは異なった“第三者の発信”であることから、消費者の関心がたかまり、購買意欲や認知度があがりやすく、「流行をつくる」傾向があります。
ただ、「必ず紹介してくれるものでもない」ことから、露出が難しい側面もありますが、筆者自身で働きかけを行ったり、作品と献本先のマッチングに綿密な戦略をたてることで、そうしたデメリットが克服されるケースも多々あります。
【図書館への寄贈】
図書館へ本を寄贈することも作品の伝播活動のひとつです。書店と違って早期で陳列するか否かの見極めがなく、蔵書として扱うので、多くの執筆者が利用しています。
i. 国立国会図書館
日本国内で発行されるすべての書籍が収められる図書館です。未来永劫、国の図書館が保管することとなるので、かりに手元に本が1冊も残らなくても、国会図書館に出向けば閲覧することが可能です。
地域によって対応は様々ですが、内容などに問題がなければ閲覧用図書として受け取ってくれるところもあります。 一度問い合わせてみるとよいでしょう
♪memo♪
最近では、自費出版専門図書館も存在します。
「自費出版図書館」(03-5643-7341)
「ブックギャラリー上六」(06-6768-4600)
「文化フォーラム春日井文芸館内日本自分史センター」(0568-85-6868)
【出版パーティー、講演会における披露】

本の完成に合わせて出版パーティーや出版記念会も多く行われています。完成の喜びと合わせて友人・知人らと共にお祝いをすることで、本の存在価値がさらに高まりますし、販売や伝播活動にも役立ちます。
また、出版をすることで“その道の専門家”として認知され、講演会や独演会などに招待・依頼がくることもよくある事例です。
こうした会合になると、多いときで出席者が100名以上となり、一度にたくさんの購買が見込めるので、書店販売よりも一層効果的な販売が期待できます。出版に関するイベントの話が持ち上がった場合は、販売促進の向上を意識しつつ、楽しみながら計画することをお勧めしたいものです。


